田村玄一様

いつの間にか楽器の一部に

私はこのケーブルの音色を文字できちんと伝えられるボキャブラリーを持ち合わせてませんし、同じ電気弦楽器でもペダルスティールというエレキギターとは若干特性の異なる楽器で使用しての個人的感想であるという事を前置きさせて頂きます。

私がケーブルを重要視するようになってもう長く経ちますが、音が変わるのが面白くてあれこれと試していた頃、縁あってこのNUDE CABLEを製作されていた池田佳則氏に出会いました。氏もまた、気が遠くなるような時間をかけて試作改良を重ね、ようやくプロトタイプが完成した頃だったように記憶しています。
では、このNUDE CABLEの音について触れていきましょう。私はこのケーブルの大きな特徴として「ヌケの良さ」だと思っています。音が変わるというよりは、楽器の持つ本来の音を引き出してくれるという印象でしょうか。ギターとアンプのポテンシャルや、繋ぐエフェクターの種類や数も人によって千差万別でしょうが、NUDE CABLEを繋いだくっきりと太くナチュラルなトーンは、エフェクターを通過しても、ピッキングのニュアンスを曇らせる事なく演奏を加速させます。そしてエイジングを経た頃には、もう手放せなくなってる事でしょう。加えてエレキギターよりも広いペダルスティールのレンジにも、過不足なく豊かに反応してくれてます。このように私にはとても使いやすいケーブルなので、もはや外せない楽器の一部となっています。


ストレートな音質とタフな耐久性を併せ持つこのケーブルに出会えた事は、私にとって幸運という他ありません。

 

田村玄一(Lonesome Strings、Little Tempo、ex.KIRINJI)
【プロフィール】
ペダルスティールギター&スティールパン奏者。
フォーク、ロック、カントリー、ハワイアン、ジャズ、ブルース、クラシックなどの音楽を取り込みながらジャンルを超えたオールラウンドなスティールギターのスタイルを確立。一方でスティールパン奏者としてのキャリアも長く、その繊細な表現力には定評がある。

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